許可申請に必要な5つの要件とは?事前にチェックすべきポイントを行政書士が解説
産業廃棄物収集運搬業の許可申請は、単に書類を揃えるだけでは完了しません。申請者が法令で定められた厳しい「要件」を満たしているか、行政による厳正な審査が行われます。
もし、これらの要件のどれか一つでも欠けていると、申請は「不許可」となり、時間と費用が無駄になってしまいます。
この記事では、行政書士が許可取得に必須の「5つの要件」を具体的に解説し、あなたが申請前に必ずチェックしておくべき重要ポイントを伝授します。
1. 許可取得に必須の「5大要件」
産業廃棄物収集運搬業の許可申請においては、主に以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。
要件1:欠格要件に該当しないこと(最も重要!)
これは、「申請者(法人や役員など)が、許可を取り消されるような過去の違反行為をしていないこと」を証明する、最も重要な要件です。
| チェック項目 | 詳細 | 懸念事項 |
| 廃棄物処理法違反 | 過去5年以内に廃棄物処理法や特定外来生物法などで刑罰を受けていないか。 | 過去の不法投棄や無許可営業は即座に欠格要件に該当します。 |
| 暴力団関係 | 役員や株主が暴力団員またはその関係者ではないか。 | 反社会的勢力との関わりは厳しくチェックされます。 |
| 破産手続き中 | 申請者または役員が破産手続き開始の決定を受け、復権を得ていない状態ではないか。 | 破産手続き中の場合は、復権が必要です。 |
| 精神的な支障 | 精神の機能の障害により、業務を適正に行うことができない者ではないか。 | 医師の診断書等で証明が必要となる場合があります。 |
【注意点】 欠格要件は、申請会社の役員全員、相談役、5%以上の株式を持つ株主など、広範囲の関係者が対象となります。もし過去に違反歴がある場合は、まず専門家にご相談ください。
要件2:経理的基礎があること
「事業を安定して継続できるだけの財産的な基盤があること」を証明する要件です。
| チェック項目 | 詳細 | 懸念事項 |
| 自己資本比率 | 直近3期分の決算書で、債務超過(赤字)の状態ではないか。 | 債務超過は原則として経理的基礎がないと判断されます。 |
| 利益が出ているか | 申請事業に関わる直近の事業年度に一定の利益が出ているか。 | 赤字が続く企業は、具体的な事業改善計画書の提出が求められます。 |
| 資金調達能力 | 新規事業の場合、必要な資金を賄えるだけの残高証明書があるか。 | 申請手数料や車両購入費など、初期費用をまかなえるかを証明します。 |
要件3:技術的能力があること
「産業廃棄物の収集運搬を適正に行うために必要な知識と技能があること」を証明する要件です。
| チェック項目 | 詳細 | 懸念事項 |
| 講習会の受講 | 申請者(代表者)または業務を統括する者が、「産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会」を修了しているか。 | 講習会修了証は有効期限があるため注意が必要です。 |
| 知識の証明 | 講習会で得た知識を、運搬の実務に活かせる体制が整っているか。 | 従業員への教育計画なども審査対象となる場合があります。 |
要件4:運搬施設(車両・容器)があること
「収集運搬を安全かつ適正に行うための設備が整っていること」を証明する要件です。
| チェック項目 | 詳細 | 懸念事項 |
| 運搬車両 | 収集運搬に使用するトラックなどの車両が確保されているか(購入、リース、賃貸契約など)。 | 車検証上の積載量が許可申請内容と合致している必要があります。 |
| 飛散・流出防止 | 廃棄物の種類に応じて、荷台にシートをかける、密閉できる容器を使用するなど、飛散や流出を防ぐ措置が講じられる車両・容器か。 | 写真添付の際、運搬車両に法定表示(名称、許可番号など)を施す必要があります。 |
| 駐車場の確保 | 運搬車両を適切に保管するための駐車場が確保されているか。 | 駐車場が賃貸の場合は、契約書や図面が必要です。 |
要件5:事業計画が適切であること
「廃棄物の処理基準や法令を遵守した、具体的かつ合理的な事業計画であること」を証明する要件です。
| チェック項目 | 詳細 | 懸念事項 |
| 契約予定 | 廃棄物を排出する顧客や、運搬先となる処分業者との処理委託契約の具体的な予定があるか。 | 単なる「予定」ではなく、具体的な見積もりや交渉の記録を求められることがあります。 |
| 処理フロー | 収集から処分までの廃棄物の流れ(マニフェスト運用含む)が、法令に則って計画されているか。 | 計画書には、運搬ルートや車両の運行管理方法なども具体的に記載する必要があります。 |
2. 許可取得への第一歩は「事前チェック」から
これらの5つの要件は、一つとして欠かすことができません。特に「欠格要件」と「経理的基礎」は、後から改善することが難しい根本的な要件です。
「もしかしたらウチは欠格要件に引っかかるかも…」「債務超過だが大丈夫か?」といった疑問があるまま申請を進めると、不許可のリスクが非常に高くなります。
要件チェックと書類作成は行政書士へお任せください
当事務所にご相談いただければ、許可申請のプロフェッショナルとして、まずは貴社の現状をヒアリングし、上記の5つの要件を満たしているかを厳しく、かつ迅速に診断いたします。
- 財務状況の診断: 債務超過の場合の具体的な改善計画(事業改善計画書)の作成をサポート。
- 欠格要件の確認: 役員構成の複雑なケースでも、法令に基づきリスクを明確化。
- 必要書類の作成: 自治体ごとのローカルルールを踏まえた、ミスや漏れのない申請書類を作成・提出代行。
時間と費用を無駄にしないために、許可取得の可否を行政書士に診断させてください。
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