運搬車両の条件と写真の撮り方:許可が下りるためのポイント

産業廃棄物収集運搬業の許可申請において、「運搬車両」は事業の中心となる重要な要素です。車両が法令の基準を満たしていなければ、どれだけ他の要件が揃っていても許可は下りません。
また、申請時には車両の写真提出が必須となりますが、この写真の撮り方一つで、審査がスムーズに進むか、補正を求められるかが決まることも少なくありません。
この記事では、行政書士が運搬車両に関する具体的な条件と、審査で「OK」が出る写真の撮り方のポイントを徹底解説します。


1. 運搬車両に求められる「4つの基本条件」

産業廃棄物を収集運搬する車両には、環境汚染や安全確保の観点から、厳しい条件が課せられています。

条件1:飛散・流出防止の構造

  • 荷台の構造: 運搬する廃棄物が飛散したり、液体が流出したりしない構造であることが必須です。
    • 例: コンテナ車、ダンプ車(アオリが高く、隙間がない)、バン型車など。
    • 対策: オープンカーゴの場合、シート(幌)やネットを常時使用できること、荷台の水抜き穴が密閉できることなどを写真や説明で示します。
  • 特定の廃棄物: 廃油、廃酸・廃アルカリなどの液体状の廃棄物を運搬する場合は、密閉できる専用容器タンクローリーが必要です。

条件2:安定した積載能力と安全性

  • 積載量: 運搬する産業廃棄物の種類や量に対し、安全に運搬できる積載能力があることが求められます。
    • 車検証に記載されている最大積載量と、申請する運搬量に無理がないかを確認します。
  • 車両の整備状況: 車検が有効であり、日常的に適切な点検整備が行われている車両であること。

条件3:法定表示の義務

運搬車両には、以下の情報を見やすい箇所に明確に表示する義務があります。

  • 表示すべき情報:
    1. 事業者名(例:〇〇株式会社)
    2. 許可番号の下6桁(例:第123456号)
    3. 運搬する産業廃棄物の種類(例:廃プラスチック類、金属くず)
  • 表示方法: 運転席と助手席のドア部分や荷台側面など、外部から明確に確認できる位置に表示します。マグネットシートやステッカーでも可ですが、容易に剥がれないよう固定されている必要があります。

条件4:保管場所の確保

  • 駐車場の確保: 運搬車両を適切に保管するための駐車場が確保されていること。
  • 駐車場は、申請会社が所有しているか、賃貸借契約を結んでいる必要があります。また、車両台数に見合った広さがあるか、道路から容易に出入りできるかなども審査されます。
  • 写真と図面: 駐車場の全体像、車両の駐車状況、出入り口などを写真に収め、駐車場の配置図(どこに何台停めるか)も提出します。

2. 審査で「OK」が出る!運搬車両の正しい写真の撮り方

提出する車両写真は、審査官が「現地の状況」を判断する重要な資料です。以下のポイントを押さえて撮影しましょう。

2-1. 撮影の基本:全体像と細部の両方

撮影対象撮り方・ポイント
車両の全体像前と横の2方向から撮影します。車両全体が写るように少し離れて、明るい場所で撮ります。
荷台の内部荷台の中がよく見えるように上から撮影します。飛散防止ネットやシートが装着できる構造がわかるように撮ります。
開閉部分の密閉性ダンプの後方扉やコンテナの扉が、隙間なく閉じられることがわかるように撮影します。
法定表示事業者名、運搬品目がはっきりと読み取れるようにアップで撮影します。
特殊な装置クレーン、パワーゲート、密閉できる蓋など、運搬に必要な特殊装置があれば、その全体と稼働部分をアップで撮ります。
走行距離計走行距離が読み取れるように撮影します(車検有効性の確認のため)。
車検証車両番号、有効期限などが読み取れるよう、車検証のコピーも提出します。

2-2. 撮影時の注意点

  • 明るさ: 日中に屋外で、光が十分にある状態で撮影します。影が入らないように注意しましょう。
  • 鮮明さ: ピントが合っていて、文字や細部がはっきりと見える写真を使用します。
  • 日付: 撮影日を写真に記載するか、データで確認できるようにしておくとより良いです。
  • 車両番号: ナンバープレートが鮮明に写っている必要があります。
  • 加工厳禁: 審査官は細部までチェックします。写真の加工は避け、ありのままの姿を提出しましょう。

3. 車両に関する疑問を行政書士に相談するメリット

「この車両で許可は取れるのか?」「写真はこれで大丈夫だろうか?」といった車両に関する疑問は、行政書士に相談することで、スムーズに解決できます。
当事務所では、車両の写真撮影の具体的な指示や、車両の条件に関する事前相談を承っております。

  • 車両の適格性判断: お客様がお持ちの車両が許可基準を満たしているか、的確に判断します。
  • 写真撮影ガイド: 審査で問題なく通る写真の撮り方について、具体的なアドバイスを提供します。
  • 図面作成サポート: 駐車場の配置図や車両の構造図など、必要に応じて作成をサポートします。

車両の準備は、許可申請の大きな山場の一つです。専門家と協力し、確実にクリアしましょう。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
産業廃棄物許可専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
平成生まれの若さを活かしたフットワークの軽さが強み
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