積替え保管施設を設置したい!許可申請が「積替えなし」とどう変わるか

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得する際、「積替え保管施設」を設置するかどうかで、その申請の難易度は格段に変わります。
積替え保管とは、収集した廃棄物を自社の施設に一時的に集めて保管し、まとめて処分場へ運搬することで、運搬効率を向上させる手法です。
しかし、その利便性の裏側には、新規の「処分業許可」に匹敵する厳しい審査と、高い建設コストが伴います。
この記事では、行政書士が「積替え保管付き」許可のメリットと、通常の許可申請と比べて何がどう変わり、なぜ難しくなるのかを具体的に解説します。


1. 積替え保管施設とは?そのメリット・デメリット

1-1. 積替え保管の定義と目的

積替え保管とは、排出事業者から収集した産業廃棄物を、運搬効率を高める目的で、自社の保管施設に一時的に貯めておく行為です。

  • 目的:
    1. 運搬効率の向上: 少量ずつ集荷したものを、大型車両にまとめて積替え、処分場へ運ぶことで、輸送コストを削減します。
    2. 収集エリアの拡大: 遠隔地で収集した廃棄物をいったん拠点に集約することで、広範囲での収集が可能になります。

1-2. 積替え保管付き許可のメリット・デメリット

項目メリットデメリット
事業面運搬の効率化、コスト削減、広域の事業展開が可能。許可取得の難易度が大幅に上がる、初期投資(施設建設費)が高額。
申請面収集運搬業に付随する許可として申請できる。審査項目に「施設基準」が加わり、新規の処分業に近い審査となる。

2. 許可申請が「積替えなし」とどう変わるか?

通常の収集運搬業許可(積替えなし)と比べ、積替え保管付きの許可申請は、主に「施設基準の審査」「周辺環境への影響審査」「資金力の証明」の3点で大きく難易度が上がります。

2-1. 【最大の変更点】「運搬施設」から「保管施設」の審査へ

通常の許可申請では「運搬車両」と「駐車場」の審査が主ですが、積替え保管付きでは、保管施設の構造そのものが審査対象となります。

審査項目積替えなしの許可(通常の運搬)積替え保管付きの許可
審査対象運搬車両、駐車場、経理的基礎など保管施設運搬車両、経理的基礎など
施設の要件車両が収まる駐車スペースの確保囲い、屋根、床、排水溝、計量器など、廃棄物処理法で定める構造基準
周辺環境基本的に問題にならない騒音、振動、悪臭、火災予防など、周辺環境への配慮と対策が求められる
図面提出駐車場の簡単な図面施設の立面図、平面図、構造計算書など、建築基準法レベルの詳細な図面

2-2. 経理的基礎(資金力)の証明がより厳しくなる

積替え保管施設の設置には、数百万〜数千万円の初期投資がかかることが一般的です。

  • 審査の変化: 行政は、申請者がその施設の建設費用将来的な維持管理費用を賄えるだけの十分な資金力を持っているかを厳しく審査します。
  • 証明書類: 施設の建設見積書、資金調達計画書、そしてそれに見合った銀行の残高証明書などが求められ、通常の許可申請よりも高い経理的基礎が要求されます。

2-3. 保管の「上限量」と「期間」の計画

積替え保管施設では、無制限に廃棄物を貯めておくことはできません。

  • 審査の変化: 廃棄物の種類ごと容量ごとに、保管できる上限量保管期間を行政に申請し、許可を得る必要があります。
  • 計画書の複雑化: 施設構造がその保管上限量に耐えられること、そして、廃棄物の回転率が高いこと(長期間滞留させないこと)を証明する詳細な事業計画書の作成が必須となります。

3. 積替え保管許可取得の難しさと行政書士の役割

積替え保管付きの許可申請は、もはや単なる運搬許可の延長ではなく、小規模な処分施設を設けるのと同じレベルの難易度と認識する必要があります。

3-1. 難易度が高い理由

  1. 自治体との協議: 施設の設置場所が都市計画法や農地法など、他の法令に抵触しないか、建設地の自治体と事前協議を行う必要がある。
  2. 住民への配慮: 騒音や振動、景観などに関して、近隣住民への説明義務や配慮が求められることが多い。
  3. 図面作成の専門性: 施設に必要な囲い、床、排水溝などの基準を満たした図面を作成するには、建築や土木の専門知識が必要。

3-2. 行政書士の活用メリット

当事務所のような産業廃棄物専門の行政書士は、これらの複雑な手続きを一括してサポートします。

  • 設計業者との連携: 施設の設計業者と連携し、廃棄物処理法の基準を満たすための図面修正やアドバイスを行います。
  • 事前協議の代行: 建設地の自治体への事前相談や、他の法令のクリアランスについて代行・サポートします。
  • 資金力証明のアドバイス: 必要な資金力を証明するための書類作成や、銀行との交渉のサポートを行います。

積替え保管は事業効率化の大きな一歩ですが、その複雑な申請を乗り越えるためには、専門家による緻密な計画が不可欠です。
積替え保管施設設置に関することについて疑問がありました、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
産業廃棄物許可専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
平成生まれの若さを活かしたフットワークの軽さが強み
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